このたび、ウェブサイト「西村花店 Flowers & Words」をオープンさせていただきました。
つきましてはブログも、そちらに引っ越しさせていただきます。
ウェブサイトでは、ブログだけでなく今までの作品とこれからのご案内も、見やすくさせていただいております。
ぜひ今後とも、よろしくお付き合いくださいませ。
西村良子
2014年8月4日月曜日
2014年4月4日金曜日
桜の茶室
桜の咲いている傍に花をいけるのは、とても勇気がいることです。空の花瓶をただ置いておきたい気分です。でもだからこそ、桜の咲いている傍に花をいけたら、いつもと違う景色が見えるのではないかと思いました。非日常の桜を、楽しんでいただけるのではないかと思いました。
高瀬川 川中生け花「桜の茶室」
選んだお花はラナンキュラスです。もともと日本にはないお花ですが、咲いた姿が椿や芍薬に似ています。っそれでいて柔らかい花弁と桜色がとっても春らしい。名前はラテン語の「カエル」に由来します。愛らしい姿からはちょっと不思議なネーミングに感じますが、理由は湿地によく咲くからです。高瀬川の桜の下に、ぴったりなお花だと思いました。
いつもと少し違う、高瀬川の春をお楽しみください。
高瀬川 川中生け花「桜の茶室」
平成26年4月4日(金)~6日(日)
高瀬川(立誠小学校すぐ南)
夜12時までライトアップしていただいています。
2013年12月12日木曜日
お父さんの絵、借りた着物と水仙と
知り合いが、行きつけの店に絵をあげたのだと話していた。亡くなったお父さんの気に入っていた絵なのに。もったいない、と言うと、この絵は、誰かに見てもらわないと意味がないから、と、ちょっとだけ寂しそうにその人は笑った。
11月、花展の会期中着物を着て過ごした。それは、私に着物の着方を教えてくれた人が貸してくれた、「私が20代の頃着てた着物」だった。着物なんか借りられないと言うと、その人は本当に素敵な笑顔で言った。「着物が喜んでるわ」。多分笑う場面だったのだろうけれど、涙が出そうになって困った。
水仙をいけると、いつも誰かに見てもらいたくなる。多分、私は水仙がとても好きなのだと思う。
生花 五行格
2013年12月1日日曜日
小雪
――冷ゆるが故に、雨も雪となりてくだるがゆへ也。
新暦十一月二十二日から十二月八日頃
「あ、雪」
寒いのは苦手なのだけれど、はらはらと初雪が降りてくるのを見つけると簡単に嬉しくなってしまう。
そしてつい、誰かに言いたくなってしまう。それは例えば、満開の桜にもいえることかもしれない。
季節は、一秒ごとに私たちのすぐ傍を通り過ぎて行く。そのほとんどを見過ごして生きている。でも、ほんのわずかな時間だけ、私たちの瞳に映る、手を伸ばせば触れることができる。誰かと分かち合いたくなる幸福な瞬間。そういう幸福な瞬間を二十四集めた、それが、「二十四節気」なのかもしれない。
終わった秋の中から、冬の欠片を見つける。
終わった季節の中には、いつも次の季節の気配が混ざっている。
そういうイメージで、落ち葉と白いバラをいけてみました。
新暦十一月二十二日から十二月八日頃
「あ、雪」
寒いのは苦手なのだけれど、はらはらと初雪が降りてくるのを見つけると簡単に嬉しくなってしまう。
そしてつい、誰かに言いたくなってしまう。それは例えば、満開の桜にもいえることかもしれない。
季節は、一秒ごとに私たちのすぐ傍を通り過ぎて行く。そのほとんどを見過ごして生きている。でも、ほんのわずかな時間だけ、私たちの瞳に映る、手を伸ばせば触れることができる。誰かと分かち合いたくなる幸福な瞬間。そういう幸福な瞬間を二十四集めた、それが、「二十四節気」なのかもしれない。
終わった秋の中から、冬の欠片を見つける。
終わった季節の中には、いつも次の季節の気配が混ざっている。
そういうイメージで、落ち葉と白いバラをいけてみました。
2013年11月22日金曜日
立冬
――冬の気立ち初めていよいよ冷ゆれば也。
新暦十一月八日頃
冬が好きだと思えるようになったとき、少しだけ大人になったなと思った。
ある冬の晩、お酒を飲んで店を出た。外に出た瞬間、耳まで温まった体が一気に冷気に包まれた。冷えた空気が気持ち良かった。吸い込むと、体の中まで洗い流される気がした。何気なく空を見上げると、目が覚めるくらい、たくさんの星が散らばっていた。「空気が澄んでいる」、「空が高い」。単なる言い回しだと思っていた言葉が、寒さと一緒に体にしみた。
立冬から立春までの日々を、日本語で「冬」といいます。
百合と椿。
百合は初夏のお花ですが、澄んだ空気を表現したかたのと、すっとした立ち姿が「立冬」に似合っている気がして、あえて使ってみました。
新暦十一月八日頃
冬が好きだと思えるようになったとき、少しだけ大人になったなと思った。
ある冬の晩、お酒を飲んで店を出た。外に出た瞬間、耳まで温まった体が一気に冷気に包まれた。冷えた空気が気持ち良かった。吸い込むと、体の中まで洗い流される気がした。何気なく空を見上げると、目が覚めるくらい、たくさんの星が散らばっていた。「空気が澄んでいる」、「空が高い」。単なる言い回しだと思っていた言葉が、寒さと一緒に体にしみた。
立冬から立春までの日々を、日本語で「冬」といいます。
百合と椿。
百合は初夏のお花ですが、澄んだ空気を表現したかたのと、すっとした立ち姿が「立冬」に似合っている気がして、あえて使ってみました。
カオスと花
「カオスの間」というギャラリーにばら撒かれたものたち。誰かが使っていた時計、遊んだであろう人形、カメラ、もはや何に使うのかもわからない機械。でもそのすべてに、過ぎ去ってしまった時間が染み込んでいた。
ちょっと怖かった。何が怖いのかわからなかった。使っていた人たちが、とっくにこの世にいないことだろうか。たぶん、「時間」を目の当たりにしてしまったからだと思う。もとに戻すことのできない時間の塊に、触れてしまったみたいで恐ろしかった。
でも同時に、ここに花をいけたいなと思った。枯れて行くことで、なくなって行くことで時の流れを感じさせる花と、存在することで時の流れを感じさせる古いもの。
時間を見失ってしまうような、不思議なおとぎ話みたいな作品ができれば良いなと思って作り始めました。 今回の展示では、気に入ってくださった方もそうでない方も、「キレイ」だけじゃなくて、しっかり感想を言って帰ってくださいました。そのどちらをも糧に、次回の展示に向けて準備を始めたいと思います。
お忙しい中見に来てくださった皆さま、
手伝ってくれた友人、
応援してくださった方々、
2013年11月10日日曜日
フラワーエキシビジョン 「鏡花水月 カオスとコスモス」
第三回目のフラワーエキシビジョンでございます。
あじさい、バラに続き、2013年の秋は、コスモスの物語をいけさせていただきます。
日本人が「秋桜」といって愛する花、コスモスは、ギリシャ語で「秩序」を意味します。
混沌(カオス)という名のギャラリーに、秩序(コスモス)という名の花はとてもよく似合うように思いました。ダーティアンドビューティフル。正反対のものを並べるから、お互いに引き立て合うのでしょうか。それとも他の理由があるのでしょうか。「秋桜」と「秩序」。二つの物語と共に、コスモスの魅力をお楽しみいただけましたら幸いです。
「カオスの間」という怖くて美しい不思議なギャラリーと、そこにあるコレクションのすべてを全面に使わせていただいて行う、花のインスタレーションです。
日時;11月15(金)~17(日) 12:00-21:00
西村在廊日
15日;14時~
16日;~19時
17日;少し抜けますが、夕方からは在廊
場所;カオスの間
http://goo.gl/maps/MNZPf
東山三条から、東へ二つ目の信号の白川(※)を北へお進みください。「初音鮨」と看板のあるビルの二階です。
※地下鉄東山駅①番出口を出て、すぐ左手の細い道です。
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